お知らせ
ボーンチェアー座面について
2014年01月07日
今日の作業はボーンチェアーの座面組み立てがメインです。
春先にはモデルチェンジしたNewボーンチェアーを製作予定なので、
もしかしたら今のボーンチェアーの組み立ても、これが最後になるかもしれません。
そこで今まで秘密だった、ボーンチェアーの座面組立工程について紹介したいと思います。
普通は椅子本体の組み立てが終われば、板座の椅子であれば座面を取り付けたり、
編み座の椅子であればペーパーコードなどで座網をすれば椅子が完成となりますが、
ボーンチェアーは座面の組み立てという工程があります。
これがこの椅子のもっとも手間のかかるところなのです。
座面は12枚(肘掛けなし)~14枚(肘掛け付き)の板で構成されており、
これを前後の幕板に組み立てます。
前の幕板には写真の様に相欠きとダボで固定されます。後ろ幕板はほぞ組みです。
この加工がものすごく手間がかかり、これを組み立てるのにもさらに手間がかかります。
前幕板のダボ穴、後ろ幕板のほぞ穴と座板のダボ穴とほぞにエポキシ接着剤を塗布したあと、
組み立てる時には、4本のFクランプと5本のポニークランプで締めこんでいきます。
ものすごい状態ですが、このままで4か所の通しほぞ部分をクサビ固定します。
クサビで固定したあとは幕板の両端のみFクランプで固定し、一晩圧着。
作業時間は1脚あたり約1時間で、なんとか6脚組み立てが完了しました。
この組立て方法が、現時点では一番早く確実なんですが、
あまりにも時間がかかりすぎて、その分どうしても価格が高くなっています。
今の構造ではこれ以上の進化が期待できないため、
この座面の構造を見直して新しいボーンチェアーを作ろうとしています。
以下、戯言ですので聞き流してください。
”木の座面の椅子”を考えた場合、快適性(すわり心地だけではなくすべての面で)を考えると、
この”ボーン(骨)”構造というのは、一枚板の座面よりもポテンシャルがあると考えています。
使ってみるとわかるんですが、最近のこの寒さでもこの椅子に座っても”冷たさ”を感じません。
隣に置いてある”掘り込み座板”の椅子に座るとヒンヤリとします。
なぜ冷たくないのかというと、
・ひとつは体(お尻)と座面の接触面積が少ない。
・ひとつは座板1本当たりのボリュームが少ないので温まりやすい などがあると考えています。
他にもいろいろと長所がありますが長くなるので・・・・やめときます。
僕の工房に来られるお客さんは、木の座面にこだわった方が多くおられるようです。
”ボーン”にこだわって新しい椅子にチャレンジし、
6月の展示会では何とか試作品だけでも展示したいと考えています。